タイ語の指示代名詞:これ・それ・あれ

買い物、道案内、何気ない会話。私たちの日常は「これ」「あそこ」といった指示代名詞で溢れています。 タイ語の指示代名詞は非常に論理的ですが、日本語にはない「声調による品詞の変化」という落とし穴が存在します。

単に「ニー」と言えば通じるわけではありません。その「ニー」が代名詞(これ)なのか形容詞(この〜)なのかによって、音の高さが変わるのです。 YUI & YUTOが「空間座標マトリックス」という考え方を用い、タイ語の指示代名詞を二度と間違えないための核心部分を解説します。

1. 3つの距離:ニー・ナン・ノーン

タイ語の基本は、自分からの距離に応じた3段階。日本語の「こそあど」から「ど」を除いたものと同じ感覚です。

タイ語読み方意味距離感ポイント
นี่ (Nii)ニーこれ / ここ至近距離自分が手に持っている、または手の届く範囲。
นั่น (Nan)ナンそれ / そこ中距離相手の近くにある、または少し離れた場所。
โน่น (Noon)ノーンあれ / あそこ遠距離自分からも相手からも遠い場所。

2. 【超重要】代名詞と形容詞による声調の使い分け

ここが試験や実戦で最も狙われるポイントです。 「これ」と言う時と、「この(本)」と言う時で、音の高さが変化します。

① 代名詞(単独で使う時):落声(2声)

นี่ (Nii- / 低く落とす) = これ

例: นี่ คือ อะไร? (Nii khue arai? / これは何ですか?)

② 形容詞(名詞を修飾する時):高声(3声)

นี้ (Nii / 高くキープする) = この〜

例: คน นี้ (Khon nii / この人)

※ タイ語の語順ルール通り、名詞の「後ろ」に置かれることに注意!

🎓 YUI & YUTO の覚え方ヒント

「単独で言い切る時はドスンと落とす(落声)」、「説明が後に続く、または名詞にくっつく時はエコーのように高く引く(高声)」と覚えると、声調計算のルールを暗記しなくても感覚的に使い分けられます。

3. 場所を指し示す:「ここ・そこ・あそこ」

場所を表す「ที่ (Thii / 場所)」を頭につけるだけで、即座に場所の指示代名詞に変わります。

  • ที่นี่ (Thii nii):ここ
  • ที่นั่น (Thii nan):そこ
  • ที่โน่น (Thii noon):あそこ

タクシーで「ここで降ろして!」と言いたい時は、「ロン・ティーニー・クラップ/カ」と言えば完璧です。

4. 疑問の指示代名詞:「どれ・どこ」

「ไหน (Nai)」が「どの〜」を意味します。

  • อันไหน (An nai):どれ(モノに対して)
  • ที่ไหน (Thii nai):どこ(場所に対して)
  • คนไหน (Khon nai):どの人

FAQ:指示代名詞の使いこなし

Q. 「それ」と「あれ」の境界線がわかりません。

A. 厳密な距離の定義はありませんが、会話している二人の「共通の空間」に入っていれば นั่น (Nan)、視界の端にあるような遠い場所なら โน่น (Noon) と使い分けるのが一般的です。

Q. 声調を間違えても通じますか?

A. 文脈で推測はしてくれますが、「ニー(落声)」と「ニー(高声)」はタイ人にとって全く別の単語として響きます。特に買い物中に「この(商品)はいくら?」と言いたい時に混乱を招くので、高さの意識は非常に重要です。

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YUTO

この記事の執筆者

YUI & YUTO

東京出身 / JLPT N1 🏆|ビジネス専門家 / BJT J1+ 💼

タイ在住1,000日超。私たちはタイの「笑顔」と「温かさ」に救われ、その恩返しとして本機を立ち上げました。 東京出身のネイティブ・ギャル講師「YUI」と、日タイのビジネスを熟知する「YUTO」がタッグ組み、 教科書には載っていない『生きたタイ語』と『組織を動かすリーダーシップ』を皆さんに伝授します。 私たちの言葉が、あなたのタイでの人生をより豊かに変える羅針盤になることを約束します。